セッケンに使う植物染料
繊維の染色に使う植物染料は、そのほとんどが水溶性です。繊維を油で染めるなんてことは無いですからね。だからその染料から抽出した色素は水溶液になっているわけで、石鹸を作るときには後でその水溶液を加えるなんてことをしたら、水でぶよぶよのセッケンができちゃいます。じゃあどうすればいいのかというと、そもそも植物の色は色素だけで発色しているなんてのは少ないわけで、色素と鉄やアルミやマグネシウムなどの金属と作用して「発色団」と言うものを作り、様々な色になっているんです。よく例に出されるのが「アジサイの七色」ですが、このアジサイの花にある主色素は唯一つだけで、様々な金属の割合と有機酸の配合などで、あのようにいろいろな色が発色しているのです。
そして水に溶ける色素も金属と結合すると、沈殿してしまうのです。これを顔料化といいます。この顔料化した色素−金属を油脂で練ってトレースしたセッケンに加えるのです。書くと簡単ですが、じゃあ実際にどうすればいいのかというと・・・その前に染色用語のレクチャーを・・・

染色用語と解説

染料植物−−−主に繊維を染めることができる色素を持った植物のことをいいます。
植物染料−−−天然の染料には植物性のものと動物性のものがあります。大半は植物性ですが、ラックダイ・コチニールなどは虫から採れ、貝紫はその名の通り貝から採れます。カビや酵母・バクテリアなどの菌類からも採れますが、これは植物染料に属します。その他、鉱物性のものは顔料になります。
染料−−−色素などを含むものの一般名称。
色素−−−発色の中心的存在。自然界では色素が単独で存在していることはまれで、たいてい糖分やタンパク質や金属と結合した状態で存在します。色素には水溶性と非水溶性のものがありますが、他のものとの結合の仕方で水溶性になったり非水溶性になったり、水と油のどちらにも溶けるようになったりします。
染液−−−染料から色素を抽出した液で、通常様々な成分を含んでいます。抽出液のことです。その抽出に用いる液の事を溶媒と言います。溶媒には水以外にエタノールやイソプロピルアルコールやプロピレングリコール、水溶性ラノリン、日本酒や洋酒などのアルコール類やオリーブ油などの油脂類などがあり、それぞれの溶媒によって、抽出される色素の構成が違ってきます。そのため抽出溶媒が違えば、それの抽出液を使った石鹸の色が違ってきます。
媒染剤−−−繊維と色素をつなぐ金属で、この金属の違いで発色が異なることから「発色団」の重要因子でもあります。繊維と結合させないときは、つまり「色素−金属」の状態を通常「顔料」と呼びます。顔料は普通水に不溶です。この金属には、染色では、ミョウバン(アルミニウム)、酢酸銅、塩化鉄などを使いますが、銅化合物はほとんどの物が劇物指定になるため、石鹸材料としては不適切です。またクロムやニッケルは皮膚障害を起こしやすいため染色でも私は使用していません。石鹸材料として顔料化させるのであれば、マグネシウムや亜鉛なども使えます。