染料と色素
ここで扱う色素の大部分は植物染料ですので水溶性です。


天然染料と顔料
  • 繊維の染色に使うのが染料です。絵の具やペンキなどに使われるのが顔料です。染料のほとんどは植物から水を煮沸して色素を取り出します。その染料に鉄や銅やマグネシウムやアルミなどが結合してできるのが顔料です。
  • セッケン用の着色料の多くはこの顔料です。鉱物性と表示されているのもこの中に入ります。
  • 染料は水に溶け出す成分ですので、油脂には溶け出てきません。オイルにインフィーズドできません。
  • 顔料はパウダー状のものがほとんどですので、そのままトレース時に入れることができます。
水に溶ける色素・油脂に溶ける色素
  • 植物色素の中では、水に溶ける色素が通常「染料」と言われているものです.
  • ニンジンやきゅうりなどの赤や緑の色素は水に溶けない色素で、油脂には溶け出す色素です。
  • 例えば、緑茶を水で抽出すると「黄色い色素」が出てきます。油脂で抽出すると「緑色の葉緑素」が出てきます。
  • 染料の中でも「ウコン」のように多少は油脂に溶けるものもあります。
花の色素
  • あの綺麗な花の色素をセッケンに使いたいと思われる方は多いですね。
  • 花の色素のほとんどは水に溶ける色素ですが、非常に弱く、すぐに変色します。
  • ドライフラワーにしたときの色になってしまいます。
  • さらに酸性で安定するものが多く、アルカリには大変弱いので、セッケンには不向きです。
  • 一部の赤色の色素は油脂で抽出できますので、試しても面白いですよ。
苛性ソーダと色素
  • セッケン作りで使うアルカリはきわめて強いアルカリです。弱い構造の色素はたちまち壊れてしまいかねません。
  • いったん壊れた色素でもケン化が進んでアルカリが弱くなると再び元通りに戻る色素もあります。
  • もちろん壊れたままの色素のほうが多いです。
  • 赤い色素でも、ラックダイはアルカリで紫色になり、スオウは赤色に変わります。茜もです。でも石けんでは?
  • 紅花の赤色色素はアルカリで黄橙色になり酸で中和されて赤色になります。だから石けんには難しいのです。
  • 紫色の色素「紫根」は赤紫からアルカリで紫⇒青に色が変わっていきます。
セッケンつくりは非常に激しい化学反応です。色素の色の発現は弱い化学反応です。油脂のケン化や熟成が進むに連れて色素の色が変わってくるのでそれも面白いかと思います。
水溶性染料の扱いかた

濃縮液を使うとき
  • 少ない目の水で染料をを煮出します(煮沸で10〜20分くらい)
  • 茶漉しか、コーヒーフィルターでろ過します
  • ろ過した「染液」を小さな鍋でさらに煮詰め濃縮します(焦がさないように)
  • 冷ました濃縮液をトレースが出る前か出たあとに加えて良くかき混ぜます。
  • 濃縮液の水の量だけ、苛性ソーダを溶かす水の量を減らしておきます。
顔料化して使うとき
  • 少ない目の水で染料をを煮出します(煮沸で10〜20分くらい)
  • 茶漉しか、コーヒーフィルターでろ過します
  • 熱いままの「ろ過した染液」に「ミョウバン」か「塩化鉄」を少しずつ適量入れます。液が少し透明になりかけるまで。
  • そのまま冷ませば沈殿ができますので、上澄み液を捨てるか、フィルターでろ過して沈殿物を使います。
特殊な染料

紫根
  • 紫根はエチルアルコールで抽出します。薬局で売っているのは「消毒用アルコール」ですがそれでもかまいません。
  • 一回のバッチで使う量は2〜4gで充分です。(濃さにもよりますが)
  • それを50cc位のエチルアルコールに一晩以上浸しておきます。(フタ付きのビンで)
  • 赤紫色の液が抽出されますので、そのまま使ってもいいですし、アルコールをいくらか揮発させ、濃縮液で使ってもいいです。
  • アルカリが強い間は青色でケン化が進むと紫になり、最後は赤紫になります。
  • 下手をすると灰色になるので注意!
  • 日光に弱いので、熟成は必ず暗い所でしてください。

  • 藍はそのままではほとんど何にも溶けません。
  • 非常に細かく砕いて、そのまま入れるか
  • ハイドロサルファイト(薬局で注文できます)という還元剤を水に加えてアルカリを加えれば、黄緑色になって水に溶けます。
  • 空気に触れると藍色になってしまいます。空気に触れないところは黄緑のままです。
  • あまり強い苛性ソーダに接触させると元に戻らなくなるので注意です。
  • 「インド藍液」はエチルアルコールとプロピレングリコール(アルコール)を多量に使っていますので、水分量は計算値のままで使用してかまいませんが水を使う場合は、そのぶん水を減らしてください。
  • 藍を入れるタイミングで面白いものができます。
  • なお残留するハイドロサルファイトですが、空気に触れると失効してしまい、肌への影響はありません。